トウハラデザインの最新作はお墓です。
昨年2月に父が亡くなり、お墓を作りました。
墓地は地元にもう30年くらい前に父が購入しており、「誰も亡くなっていないのに毎年お寺にお金収めるのもったいないね」なんて言っていたのですが、いざ父が亡くなって、もし墓地がなかったら大変だっただろうなと思うと父に感謝せずにはいられません。
墓石は新たに建てることになりました。
だいたいお墓の形は昔ながらの「和風」か、最近のコンパクトな墓地にも合う「洋風」のどちらかを選ぶのが一般的なのですが、石材屋さんから「形は変えられるし、変えたからと言ってそれほどコストは変わらない」との話を聞き、私がデザインすることになりました。
デザインテーマはモダンデザインの要素を入れつつ、安定感があり物理的にもデザイン的にも耐久性があるものです。
お寺の名物になるような奇抜な案もあったのですが、100年以上そこにあるものですから「現代の解釈で面白いデザイン」というのは一番初めに候補から消しました。
ミラノの記念墓地のお墓なんかもけっこう研究しましたよ。
前に彫ってあるグラフィックは「吾唯知足」(われただ足るを知る)をデザイン化したものです。
龍安寺で有名な仏教の言葉ですが、父が生前好きだった言葉だと母から聞いてこれにしました。
(意味については様々な解釈があるので興味のある方は調べてみて下さい)
今は「父の墓」ですが、いずれ自分も入るんだよね(笑)
子孫が「うちのお墓はかっこいいなあ」「ご先祖様にデザイナーがいたんだよ」なんて話してくれるといいなと思っています。
ちなみに當原家のお墓があるのは茗荷谷の「しばられ地蔵」で有名なお寺です。
お参りの際に見つけられるかも??
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